海外企業に就職したいけど、海外の採用方法ってどんな種類があるんだろう?海外と日本で採用方法の違いはあるのかな?
今回はこうした悩みを答えます。
本記事で学べること
- 海外と日本の採用方法の違い7選
- 海外の採用方法の種類
- 海外の採用方法を攻略する方法
本記事を書いているぼくは、2023年12月から海外のWebマーケ会社で働いています。今回は海外企業で働くぼくの実体験や海外就職を成功させた知人から海外の採用方法のポイントをまとめていきます。
大前提として、海外と日本の採用方法は全然違います。日本の新卒採用みたいなイメージを抱いているとド肝を抜かれるはずです。
記事後半では、日本にいながら海外の就職活動を攻略する方法もまとめます。海外の採用方法の特徴やその攻略法を知って、周りと差をつけていきましょう。
海外と日本の採用方法の違い7選
そもそも海外と日本の採用方法には圧倒的な違いがあります。以下はその7つの違いです。
- 新卒採用がない
- インターンシップ採用が主流である
- リファラル採用も主流である
- 実務経験や実績、スキルが重視される
- 職種ごとに求人がある
- 採用活動がすべてオンラインで完結する場合もある
- 転職回数が多くても問題ない
それぞれどのような違いがあるのか、解説していきます。
①新卒採用がない
海外と日本の採用方法でもっとも違う点は、新卒採用が存在しないことです。海外では、以下の2パターンが一般的です。
- 随時採用:企業が必要な人材を必要なときに募集する
- 通年採用:常に募集がオープンになっている
なぜなら、海外だと即戦力な人材を重視する文化があるからです。その分、人材の流動性が高く、スキルや実績が重視されます。
日本人の感覚からすると、「社会人経験もないのにいきなりスキルや実績が必要なのきつくね?」と思うかもしれません。
しかし、その分、海外の若者はインターンシップやアルバイトなどの経験を積むことが当たり前になっているそうです。
②インターンシップ採用が主流である
海外では、インターンシップ制度も採用方法の主流になっています。理由は、上記で述べたように、新卒採用がない分、インターンシップが重視されているからです。
特にアメリカやヨーロッパの企業では、インターンシップを通じて将来の社員を見極めるプロセスが主流になっていると聞きました。インターンシップ=採用活動の一部で、その期間中の実務で能力や適合性を見極めているそうです。
ですが、インターンシップ採用は日本にいる人にとってはかなりきつい選択肢ですよね。海外留学などをしない日本人からしたら無縁な採用方法かなーと思います。
③リファラル採用も主流である
もう一つの主流な海外の採用方法が、リファラル採用です。人脈による紹介採用ってやつですね。
ちなみに、ぼくが海外企業に転職できたのはこのリファラル採用のおかげです。タイを旅していたときに出会った友人がイギリスのWebマーケ会社で働いており、「人材不足だからうぃるさん手伝ってくれない?」みたいな感じで紹介してもらいました。
リファラル採用のメリットは以下のとおり。
- 採用となるまでがスピーディー
- 採用後も知人・友人がいるため、働きやすい
ちなみに、ぼくはその友人に誘われてから3日後にはその会社で働き始めていました笑(最初はフリーランス契約でしたが)
日本人が海外就職・転職するには、リファラル採用はかなり有効な採用方法の一つです。
④実務経験や実績、スキルが重視される
海外では、日本よりも採用の際に実務経験やスキルが重視されます。即戦力になるかどうかが決め手です。
日本では長期的な育成を前提に採用していますが、海外では人材の流動性が高いのですぐに結果を出してくれる人材を求めています。
実際、ぼくも今の会社に入るときには以下のような数値的な実績をしつこく聞かれました。
- 今までの記事執筆数
- ブログのPV数
- ブログの収益額
特に言語が通じにくい分、海外の人が日本人を採用する際には「数字」を重視する傾向にあります。The・実力社会であることは覚えておきましょう。
⑤職種ごとに求人がある
海外の採用方法では、日本と異なり、職種ごとに明確な求人を行います。海外では即戦力となる人材を求める傾向が強いからです。
たとえば、Googleの採用ページを見てみると、下記の例のようにかなり細分化されてます。
- Senior Account Executive
- Software Engineer
- Growth Consultant
- Data Center Strategic Negotiator
- Senior UX Writer and Content Designer
日本では総合職採用が一般的ですが、海外では上記のように希望する職種に応募できるのはメリットの一つかと。その分、スキルや実績が求められますが。
⑥採用活動がすべてオンラインで完結する場合もある
海外では、採用活動がオンラインで完結するケースが一般的です。一方で、日本では未だに紙の履歴書を使ったり、対面での面接をしたりしてます。。。
特にアメリカは国土が広すぎるため、対面で採用活動をやるのはコスト的にも時間的にも非効率なので、オンライン採用が普及しています。
海外企業でライターをしているぼくの友人も、すべてオンラインで完結したと言っていました。
- LinkedInのプロフィールや英文履歴書をオンラインで送る
- テストライティングをする
- ビデオ会議でオンライン面接をする(通常、1~2回)
- 採用の連絡がくる
これは日本人にとってメリットですよね。アメリカに就職するために毎回渡航するわけにはいかないですし。
⑦転職回数が多くてもマイナスにならない
転職回数の多さは日本ではマイナスになりますが、海外の採用方法ではむしろポジティブに評価されます。
海外では、キャリアアップの手段として転職が一般的に受け入れられているからです。日本の終身雇用や年功序列とは異なり、海外の労働市場では個人のスキルと経験が重視されます。
海外ではヘッドハンターによるスカウトも採用方法として一般的で、転職によるキャリアアップが当たり前になっています。逆に、長年同じ会社に勤めている人材は、市場価値が低いと見なされることもあるそうです。日本と真逆ですね。
海外の採用方法の種類とその特徴
続いて、海外の採用方法にどんな種類があるのかを解説していきます。主に下記の5つを覚えておけばOK。
- 通年採用(直接応募)
- インターンシップ採用
- リファラル採用
- ヘッドハンティング
- ソーシャルリクルーティング
それぞれの特徴を見ていきます。
通年採用(直接応募)
海外の採用方法は、通年採用が一般的です。企業側の視点で考えると、優秀な人材を確保できる機会を逃さないためです。
通年採用がどんな感じか実感したい方は、実際に海外の求人を見てみるのもおすすめ。GAFAMあたりの有名どころを見てみるとわかりやすいと思います。
通年採用ということは常にチャンスは転がっているということ。海外挑戦したい方には朗報ですね。
インターンシップ採用
先ほども書きましたが、海外ではインターンシップも採用方法の主流です。インターンシップ制度は、採用を前提に業務を経験させることができるため、会社と候補者双方にとってメリットが大きいからです。
ですが、インターンシップはあくまでも現地採用が前提です。日本から海外企業に転職する場合などはあまり関係のない採用方法になります。
■可能性としては、「フリーランス契約からの社員登用」
日本人にも当てはまるインターンシップ採用っぽい形があるとすれば、フリーランス契約からの社員登用ですかね。というのも、ぼくがその体験者だからです。
ぼくの場合は、今の会社にフリーランス契約のライターとしてjoinし、その1カ月後に、働きぶりが評価されて社員登用してもらえました。
適用できる職種は限られるかもですが、こういったパターンもあることをぜひ覚えておいてください。
リファラル採用
リファラル採用は、ぼくが体験した海外の採用方法です。日本人が海外就職・転職する場合は、ここを狙うのがいちばん効率的だと思います。
リファラル採用には以下のメリットがあるからです。
- 採用されやすい
- 初めての海外企業でも安心して働ける
そもそも、友人や知人もあなたのことを必要だと思わなかったら、紹介しませんからね。リファラルを受けたということは、企業側も採用したいと思っているということです。
また、会社に入ってからも分からないことがあれば、その友人・知人に聞けばいいので安心です。
ヘッドハンティング
海外での採用方法において、ヘッドハンティングもかなり当たり前になっています。
その傾向が強いのが、LinkedInですね。LinkedInとは、海外では当たり前に使われているビジネス用SNS。ぼくもLinkedInのプロフィールを最適化しているため、1カ月に数回ヘッドハンターから勧誘がきます。
求職者側からしたら受け身で待つだけなので楽です。さらに、ヘッドハンター側も条件にマッチした人材にしか声をかけないので、仕事のミスマッチを防ぐことができます。
ということで、海外就職を狙う際は必ずLinkedInアカウントをつくっておきましょう。
ソーシャルリクルーティング
海外の採用方法の中で、ソーシャルリクルーティングも当たり前になってきています。
顕著な例が、先ほども紹介した「LinkedIn」。たとえば、アメリカではLinkedInユーザー数は1億5400万人を超えており、人口の約半数がこのプラットフォームを利用しています。
求職者のソーシャルリクルーティングのメリット
- 受け身でスカウトを待てる
- 採用担当者と直接やり取りできる
- SNSのプロフィールが履歴書代わりになる
企業側のソーシャルリクルーティングのメリット
- 効率的に人材探索できる
- ダイレクトスカウトができる
- 候補者と直接やり取りできる
最近では、LinkedInだけでなくX(旧Twitter)も「X Jobs」のような求人に力を入れています。まずは、LinkedInを開設して、どんな風にソーシャルリクルーティングが行われているか体験してみてください。
日本にいながら海外の採用方法を攻略する方法【狙いはSNS】
結論、先ほど紹介した海外の採用方法の中で日本人が狙うべきは、以下の3つです。
- リファラル採用
- ヘッドハンティング
- ソーシャルリクルーティング
なぜなら、上の3つはオンラインで完結するうえに、SNSを駆使すれば、効率的に就活できます。
逆に、通年採用(直接応募)やインターンシップ採用はスキルや実績が重視されるうえに現地での活動が主になるため、日本人に不向きです。
下記では、日本にいながら海外の採用方法を攻略する方法をぼくの体験をもとに伝授します。
①LinkedInプロフィールを完成させる
海外の採用方法を攻略するうえで最重要になるのが、LinkedInです。LinkedInはスカウトを受けるときも、自分から案件に応募するときも武器になります。
LinkedInアカウントを開設するのは当たり前として、まずはプロフィールを完成させてください。必ず設定してほしい項目は以下のとおりです。
- Profile photo=プロフィール写真
- Background photo=ヘッダー画像
- Headline=プロフィール
- About=自己紹介
- Experience=経歴
- Education=学歴
- Skills=スキル
- Languages=扱える言語
どんな風に書けばいいかわからない方は、ぼくのLinkedInプロフィールをマネしてみてください。
» うぃるのLinkedInアカウントはこちら
②英文履歴書(CV)を完成させる
LinkedInのプロフィールを完成させたら、ついでに英文履歴書(海外ではCVと言われます)を完成させましょう。手順は以下のとおり。
- Canvaを始める
- Canvaで英文履歴書(CV)のテンプレートを探す
- そのテンプレートをもとに自分なりにカスタマイズする
※主な入力項目
- プロフィール概要
- 経歴
- 学歴
- スキル
- 扱える言語
- 連絡先
これが最短です。LinkedInと書く内容はほぼ同じです。LinkedInのプロフィールを完成させておけば、ここはすんなり終わるはず。
③日本・海外で実績を高めていく
あとは自分が就きたい職を分析し、実績を高めていきましょう。
■自分が就きたい職の分析
まずは、自分が就きたい職はなんなのかを分析してください。「この仕事よさそう!!」という求人が見つかったら、そこから必要なスキルや経験を逆算します。
仮に、ぼくがSEOマネージャーに転職したいとします。その場合、LinkedInなどで「SEO manager」と検索すると、以下のように求人がでてきます。(今回はわかりやすさのために外資企業の日本求人を引用)
内容を見てみると、以下のような要素が求められるとわかります。
- SEOの実務経験がある方
- SEOツール(Moz、Ahrefs、SEMRush、Majestic、ScreamingFrogなど)の使用経験がある方
- 英語と日本語の読み書き、会話に優れている方
こういった経験やスキルを満たせるように、今やるべきことを逆算します。
■国内・海外で実績を高めていく
獲得したい案件や職の要件を満たすために、国内または海外で実績を高めていきましょう。
先ほどの例で考えると、以下のようなムーブが考えられます。
- 日本でSEOマネージャーの経験を積む
- SEOマネージャーは無理でも、海外のSEOライターの職を探してみる
- 国内・海外クラウドソーシングでSEO関連の案件を取ってみる
ここは視野を狭めずに、いろんな手段を模索してみましょう。
正直なところ、海外就職・転職は基本的にハードル高め。急がば回れの精神で、コツコツ実績を高めていくことが大事です。
まとめ
本記事では、海外と日本の採用方法の違いにフォーカスして解説してきました。円安が進む日本では、外貨獲得や海外就職を考える人は増えていくはず。もしこの記事を読むあなたも海外就職・転職を考えているなら、本記事を参考に海外の採用方法を攻略してみてください。第1歩はLinkedInの開設ですね。
LinkedInの使い方やプロフィール設計で悩んでいる方がいれば、相談に乗ります。詳細は下記をご覧ください。
» LinkedInコンサルはこちら(現在、準備中ですm(_ _)m)
それでは、また。
海外の採用方法に関するよくある質問
海外の採用方法は紹介された5つだけ?
海外の採用方法は今回紹介したものだけではありません。他にも「indeedなどの海外求人サイトを使った直接応募」「海外の人材紹介エージェントを使った採用」などもあります。
アメリカの企業は新卒一括採用ですか?
アメリカの企業に新卒一括採用の概念はなく、通年採用が当たり前になっています。なぜなら、アメリカでは即戦力の人材を求めており、常に優秀な人材を探しているからです。
日本はなぜ新卒一括採用なのでしょうか?
日本は長期的に人材育成していくことが前提ですからね。とはいえ、最近は徐々に海外の採用方法に寄せていこうという動きがあることも事実。大企業は新卒一括採用が続きそうですが、ベンチャーなどは柔軟になってきている印象です。