本記事の内容
- ChatGPTを論文やレポート作成に使っていいのか
- ChatGPTを使った論文やレポートの書き方
- 論文やレポート作成におけるChatGPTの使い方
この記事を書いているぼくの特徴は以下のとおり。
- 2022年3月に大学院を修了
- ChatGPTはプロトタイプリリース直後から触っている
なので、その2つの経験を踏まえて、本記事を書いていきます。
すみません、結論としてChatGPTで論文・レポートの0から100まで作るのはやめたほうがいいです。
一応ChatGPTの特性上できないことはないのですが、作成したとしてもさまざまな懸念点がうまれます。
なので、今回はその懸念点を紹介しつつ、ChatGPTを論文・レポート作成にどう活かしていくかを徹底的に解説していこうと思います。
それでは、早速いきましょう。
ChatGPTを使いこなしたい人向け
ChatGPTをもっと使いこなしたい人は「プロンプトエンジニアリング」も学んでみましょう。「プロンプトエンジニアリング」を身につけると、ChatGPTの使い方が一段階上がります。詳しい学習方法は下記からどうぞ。
プロンプトエンジニアリングの効果的な学習方法5選【まとめ】
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ChatGPTだけで論文やレポートを作成するのはやめた方がいい
結論、ChatGPTだけで論文やレポートを作成するのは、やめたほうがいいです。
その理由を3つほど挙げます。
- 嘘を教えることがあるから
- AI判定ツールがあるから
- 海外にChatGPTの使用を禁止した事例があるから
それぞれ解説していきます。
嘘を教えることがあるから
大前提として、ChatGPTは必ずしも正しい情報を出力してくれるわけではありません。ふつうに嘘もつきます。
正しい情報が出力されない理由が主に以下の2つと考えられます。
- 2021年9月までのデータが元になっているから
- 与えられた文脈に基づいて、論理的に続く言葉を選択しているだけだから
一番大きいのは2021年9月までのデータが元になっていることですね。例えば、以下のように質問してみました。
本来ならば2022年発売のPixel 7も入っていないとおかしいですが、2021年9月までのデータなので、Pixel 5までとなっています。
一方で、下記のような質問もしてみました。
なんと、ロシア・ウクライナの情報は2023年2月現在のデータが入っております。
このように、ものによってはデータを更新されている?みたいななんですよね。
なので、回答が正しいのかとうか余計わからなくなっています。
AI判定ツールがあるから
そして、すでにAI判定ツールがリリースされています。AI判定ツールは、文章を入力すると、それがAIが作った文章なのかを判断してくれます。
たとえば、AIで論文やレポートをつくって提出したとしても、教授がそのAIツールを使ったら「こいつChatGPTでつくりやがったな」ということがバレてしますわけです。
つまり、ChatGPTで0から100までつくるというのは、ほぼ確実にバレると覚悟したほうがいいでしょう。
海外にChatGPTの使用を禁止する事例があるから
最後の理由が、ChatGPTの使用を禁止する海外事例がいくつもあるからです。いくつか参考として紹介していきます。
International Conference on Machine Learning(ICML)
機械学習に関する国際会議の1つ「International Conference on Machine Learning(ICML)」が、ChatGPT等のAIを使って科学論文を執筆することを禁止する方針を発表。
方針を巡って、AI研究者の中で意見が割れているそうです。
» ChatGPTなどのAIで科学論文を書くことが国際会議で禁止に、ただし自分の文章の編集・推敲はOK - GIGAZINE
フランスの名門大学、パリ政治学院(Sciences Po)
2023年1月27日、不正行為や盗作を防止するため「ChatGPT」の利用を禁止することを発表。
この記事によると、ニューヨーク市やワシントン州シアトルの公立学校の一部もChatGPTの使用を禁止しているそう。
» フランス名門大、チャットGPTの利用を禁止 不正や盗作防止へ | ロイター
上記のように、海外の一部大学や委員会ではChatGPTの使用を禁止しています。主に不正行為や盗作の防止、思考力の低下を問題しているみたいですね。
このように、海外での禁止事例が広がっているということは、まもなく日本にもこの波は来そうです。
なので、ChatGPTを使う際は慎重に考えましょう。
ChatGPTを使った論文やレポートの書き方【安全】
上記のように、ChatGPTで論文・レポートを一から作るのはやめたほうがいいと話してきましたが、補助ツールとしてなら十分に使えると考えています。
ということで、ここからはChatGPTを補助ツールとして使った論文やレポートの書き方を解説していきます。
以下の方法なら、割と安全安心に使うことができます。
- ChatGPTで文章を校正する
- ChatGPTで文章を要約する
- ChatGPTで翻訳する
それぞれ解説していきます。
ChatGPTで文章を校正する
1つ目がChatGPTで文章を校正するということです。文章の校正とは、誤字脱字のチェック、明らかにおかしな文法の訂正をすること。
意外と論文・レポート作成の重要なタスクであるとともに、めんどくさい作業です。ここをChatGPTに手伝ってもらいましょう。
まず、任意の文章を入力し、「上の文章を校正して」と入力します。
ここでは、「書く→欠く」「学び→学」「ある→あるる」の3点をわざと間違えてみました。結果が下画像です。
しっかりと間違えた3点が正しく直っています。上記のように校正に使えるので、論文やレポートの凡ミスを防ぐことができます。
ChatGPTで文章を要約する
2つ目がChatGPTで文章を要約することです。要約もやり方は簡単。
まず、任意の文章(長め)を入力し、「上の文章を要約して」と添えます。
その結果が以下です。
このように、文章を端的にまとめてくれました。
上記に加え、「200文字でまとめて」と文字数指定することも可能ですし、「英語で要約して」などと言語指定することも可能です。
ChatGPTがめんどくさい人へ
「正直ChatGPT使うのめんどくさい!」って人もいると思います。
そんな方はぜひ無料体験があるAIライティングツールも使ってみましょう。
ちなみに、今回紹介した文章校正や文章要約に適しているのは、SAKUBUNというサービスです。
無料で体験できるので、ChatGPTと合わせて使ってみましょう。
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ChatGPTで翻訳する
3つ目がChatGPTを翻訳ツールとして使うことです。論文を書く上では英語の要旨を書いたり、レベルの高い人なら英語論文を書くこともあるでしょう。
翻訳ツールとしてはDeepLやGoogle翻訳などがありますが、ChatGPTには特有のメリットがあります。
- 翻訳した文章を要約してもらえる
- 自分で和訳・英訳した文章を添削してもらえる
- 「です・ます」や「だ・である」など口調を指定できる
ChatGPTは単なる翻訳ツールとなるだけでなく、さまざまな条件を追加できる点が利点です。
柔軟性に優れているので、論文を書く際には重宝することでしょう。
なお、実際に触ってみた感じ、英訳の精度はさすがにDeepLの方が高いかなとぼくは感じてます。
論文やレポート作成におけるChatGPTの使い方
続いて、論文・レポート作成する際の他のChatGPTの使い方を提案していきます。それが以下のとおり。
- ChatGPTで論文を楽に読む
- ChatGPTで考えの整理を行う
- ChatGPTで出典元を探させる
それぞれ解説していきます。
ChatGPTで論文を楽に読む
はじめに、ChatGPTで論文を楽に読む方法です。
論文って無駄にややこしく書かれている場合があるので、せっかくならChatGPTを使って楽に読めるようにしちゃいましょう。
文章を要約してもらう
1つ目は文章を要約してもらうことです。この方法は先ほど解説しましたね。
任意の文章を入力し、「上の文章を要約して」と指示するだけです。
この方法は、たとえば大量の論文を読む必要がある時に有効です。大量の論文を隅々まで読んでいると日が暮れます。
しかし、この要約を使えば、論文の要旨をすばやく理解することができ、本当に精読すべき論文を見つけやすくなります。
文章をかんたんな言い回しに変えてもらう
2つ目の方法は、文章をかんたんな言い回しに変えてもらうことです。
特に論文は難しい表現が多いときがあるので、かんたんな言い回しに変えて内容を理解できるようにしましょう。
例えば、以下のようにしてみてください。
どうですか。急に内容が理解しやすくなりましたよね。
このように文章をかんたんな言い回しにすることで、論文をサクサク読むことができます。
たしかにそのとおりですが、難しくて内容が理解できないままor考える力は少し落ちるけど内容は理解できる、だったら後者の方が意味があると思います。
そして、たくさんの論文を読んで背景知識などを蓄えることで、難しい論文も読めるようになりますから。
ChatGPTで考えの整理を行う
ChatGPTを使って、頭の中を整理するのもオススメ。というのも、ChatGPTの魅力はAIとディスカッションできることだからです。
ぼくが大学院生の頃、いちばん頭の中の整理ができたなと思うのは、教授と研究テーマについて話しているときでした。
しかし、今や下手したら教授よりも知識量があるChatGPTの議論することができるのです。
そして、その議論の中で自分の思考を整理すらことができます。
ChatGPTと議論する方法
ぶっちゃけ方法はいくらでもあります。
たとえば1つ目は、自分の研究テーマの要旨を話して、「この文章に対して疑問に思うことはありますか」と聞いてみるパターン。
2つ目の例は、研究の仮説に対して、「反論ありますか」と聞いてみるパターン。
3つ目は、研究テーマに対して漠然と「あなたの考えを教えてください」と聞いてみるパターン。新たな発見があるかもです。
以上のような聞き方をしつつ、ChatGPTと議論ができれば、
- ここの論理補強しないとな
- この結論、詰めが甘いな
といったことに気づけるかもしれません。
ぜひトライしてみてください。
ChatGPTに出典元を探させる
ChatGPTに出典元を探させるのも一つの手です。
たとえば、「読書する習慣がある人が相関的に学力が高くなる」ということを示したデータやその出典元を探したいときに下記のように指示すると、そのデータにつながるような出典元を提示してくれます。
意外とこういうテクニックは論文・レポート作成でありがたいので、ぜひ使ってみてください。
適切に使えばChatGPTは論文・レポート作成の味方になる
- ChatGPTで論文・レポートのすべてを作成するのはNG
- ChatGPTはあくまでも補助ツール
- ChatGPTはブレインストーミングにも使える
いかがでしたか。
ChatGPTが登場したとき、ぼくも「論文とかレポートに使えそうだな」と思いましたが、案の定規制が始まりましたね。
まあChatGPTで0から100まで作っちゃったらなんでもありになりますからね。
でもChatGPTを論文・レポート作成の補助に使うのは、まだまだ未来があります。
なので、ぜひこの記事ブックマークしておいてくださいね。
それでは、また。
ちなみに、、、
ChatGPTを本気で使いこなしたいなら「プロンプトエンジニアリング」の知識が必須です。実は、ぼくもTechAcademyで学んだことでChatGPTを使いこなせるようになりました。ステマなしでレビュー記事を書いたので、ChatGPTで生活や仕事を変えたい人はぜひチェックしてみてください。 続きを見る
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