前回のお金2.0に引き続き佐藤航陽氏著の「世界2.0」について書評をまとめていきます。
ぼくがこの本を手に取った理由はシンプルで、「前作の「お金2.0」が面白かったから」です。
テクノロジーの最前線を走る佐藤航陽氏から、トレンドを学んでいきましょう。
お金2.0の書評・要約記事
「お金2.0」の書評・要約まとめ【フィンテックを学ぼう】
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「世界2.0」の基本情報
「世界2.0」の基本情報について見ていきます。
書名:世界2.0 メタバースの歩き方と創り方
著者:佐藤航陽
出版日:2022/03/01
出版社:幻冬舎
続いて著者の「佐藤航陽」さんのプロフィールが以下の通り。
福岡県福岡市生まれ。15歳から、自己流の商売を始め、生活費などを稼ぐようになる。福島県立福岡高等学校卒業、早稲田大学法学部中退。2007年、イーファクター株式会社(現メタップス)を設立。2015年 東証マザーズに上場、創業者として145億円相当の資産を得たとされる。
引用:佐藤航陽 -Wikipedia
佐藤航陽氏は以前フィンテックのトレンドについて解説した「お金2.0」という本を出しています。
お金2.0に関する書評記事は下記からどうぞ。 続きを見る
「お金2.0」の書評・要約まとめ【フィンテックを学ぼう】
「世界2.0」の要約まとめ
次に「世界2.0」の要約・まとめとして読書メモ+意見を記します。
- テクノロジーと波乗りの仕方
- メタバースとは
- 競争から創造の世紀へ
本書では、「世界の創り方Ⅰ【視空間】」「世界の創り方Ⅱ【生態系】」という章があったのですが、引用・要約は省略しました。
というのも、一般人からはかなり遠くはなれた話で、ピンとこないかもしれないからです。
もちろん重要な内容なので、気になる方は実際に手をとって読み込んでみてください。
テクノロジーと波乗りの仕方
・さらにテクノロジーが浸透する順番もある程度の法則性があります。新しいテクノロジーは基本的には「消費者」から使われ始めて、次に「企業」で活用されて、最終的には「行政」に組みこまれます.
・タイミングが早すぎれば誰にも注目されませんし、遅すぎればおいしいところを他人にもっていかれてうまみなど残っていません。テクノロジーの流れを読み切った上で、適切なタイミングで適切な場所に先回りして待っているというスキルが必要になります。感覚的には世の中より「半歩」だけ早いという状態を狙う必要があります.
・個人的な経験則になりますが、一部のギーク(技術オタク)が熱狂していて、それ以外の人がピンと来ていない・理解できないという状態が、取り掛かるタイミングとしてベストです.
・イギリスのSF作家、ダグラス・アダムスは非常に説得力のある法則性を残しています。「人間は、自分が生まれた時に既に存在したテクノロジーを自然な世界の一部と感じ、15歳から35歳の間に発明されたテクノロジーは新しくエキサイティングなものと感じられる。35歳以降になって発明されたテクノロジーは、自然に反するものられる」
・逆にいえば、15歳以下の子どもがどんな遊び方をしているかによって、その後に社会でどんなテクノロジーが普及してくるかを高い確率で予測することができます.
・しかし前述のとおり、こういったテクノロジーが社会実装されて具体的な価値に結びつくには人々が予想するよりもはるかに長い時間が必要です。期待した成果がすぐ得られなければ失望して投資を引き上げて、メディアには「〇〇は儲からない」「〇〇は死んだ」という論調の記事が溢れることになります.
・そんな幻滅期の冬の時代でも一部の人たちだけ市場に残って技術をコツコツと磨き続けます。そして社会実装が進み本当に経済的な価値を発揮できるようになったら、彼らが収益を独占するというサイクルを経て世の中に広く普及していきます.
割と世界2.0ならではのメタバースの話からはずれる内容ですが、本書にはテクノロジーの流行とそこへの波乗りに関するエッセンスが散りばめられています。
ポイントとなるのは、世の中よりも半歩先を進むという点。
一歩先でなく、半歩先であることが重要ですね。早過ぎてもダメ、遅くてもダメということをうまく言い表していると思います。
そして、半歩先を歩くにはどうすればいいかというと、ギーク(技術オタク)をウォッチすることです。
でもこれは今の時代結構簡単で、使えるツールが「Twitter」。ちなみに、ぼくもギークを見るために使っています。
ギークをTwitterでウォッチする手順
- 自分の興味ある業界を洗い出す
- その業界のトップを1〜3名フォローする
- その業界で伸びている人を1〜3名フォローする
- リスト機能を使って②③用のリストを作成する
- 普段から彼らの発信をウォッチする
多分これが一番手っ取り早く的確な方法だと思います。
メタバースとは
・メタバースとは、インターネット上に作られた3D(3次元)の仮想空間のことです。1992年、アメリカの作家ニール・スティーヴンスンが、『スノウ・クラッシュ』というSF小説を発刊します。メタバースという言葉は、この小説の中で初めて使われました。「メタ」(meta=概念を超える、上位概念を指し示す)+「ユニバース」(universe=宇宙)を組み合わせた造語です.
・メタバース革命とは、単なるVR技術の革命ではありません。 ①コンピュータの性能、②通信速度、③3DCG技術という3つの進化が相まった「インターネットの3次元化」の革命です.
・「デバイスが普及したあとに、続いてコンテンツが普及する」 これがインターネットにおける大前提の法則でした。その法則が、今回は例外的に崩れています.
・人々に新しい習慣を身につけさせるためには、それなりに時間がかかります。メタバースの普及は、PC・スマホ・ゲーム機による3DCGコンテンツの流行が先になるでしょう.
・VR端末が他のデバイスと比べて普及が進まない理由の一つが、「もともと人類にはゴーグルをかぶる習慣がない」という点です.
・つまり、PCもスマホも人々の習慣をゼロから変えたわけではなく、もともと定着していた習慣に乗っかったために低コストかつスピーディに普及させられたわけです。
・ネット上ではデジタルデータは無限にコピーすることができるので、物理世界のようにグッズやアイテムに希少価値を発揮させることが非常に難しいとされてきました。無限にコピーできてしまうアイテムはレアモノとはいえないはずです。 そこで、ブロックチェーン技術の「改ざんが難しい」という特性を利用して、デジタルデータに対して現実世界のグッズのように唯一無二の希少性を与えて、バーチャル空間にも物質の有限性を再現しようとする技術がNFTです.
・Web3とは「ブロックチェーン技術などを基盤とした非中央集権的なインターネット」を指すことが多いです.
・これが実現できればプラットフォーマーに自分のデータを預けることもないので、プライバシーを侵害されることもないし、アカウントがバンされて活動が停止になるリスクもないし、企業がGAFAなどのプラットフォーマーに支配されることもなくなるということがメリットとして挙げられています.
ここは本書の醍醐味?である各種Web3.0で登場するテクノロジーの説明ですね。
ざっくり下記にまとめていきます。
- メタバース:インターネット上の3次元仮想空間
- NFT:改ざんが難しいブロックチェーン技術を使って、デジタルデータに有限性および唯一無二の希少性を与える技術
- Web3.0:分散型(非中央集権型)のインターネット
キーワードは「ブロックチェーン」と「分散」ですね。
これまでGAFAが市場を支配する時代が続きましたが、それが解消されていきます。
とはいえ、GAFAは巨額の資金があるわけで、、、
その資金をWeb3.0分野に突っ込めば、結局GAFAなどのビックテック企業から逃れることはできないんじゃないの?みたいな危惧もありますけどね。。。
競争から創造の世紀へ
・今実現しつつあるクリエイター・エコノミーとメタバースは、かつて人間の創造性が爆発したルネッサンスの再来だと私は思うのです.
・有り余った資本が財閥から芸術に注がれた結果、ルネッサンスが花開いたのです.
・今起きているメタバース革命も、これとよく似ています。3DCGの技術は、ちょっと前までごく一部のエンジニアとクリエイターだけの占有物でした.
・しかし今では誰でも無料でソフトウェアを使えて、万人にテクノロジーの門戸が開かれている。そのソフトウェアを使えば、専門的知識なんてなくても、ものすごい映像や仮想空間が創れてしまう。「チューブ型の絵の具」がテクノロジーに置き換わっただけであって、まさにルネッサンスの再来です.
この前読んだ別の本にも「金持ちが金を持て余している」みたいなことが書いてありました。
その余ったお金はどこに流れるのかというと、本書でも述べられている芸術や娯楽なんだろうと思います。
ということは、今後は作る側と作ったものを鑑賞する側で大きな差が生まれるということですよね。
なので、ぼくは引き続き作る・提供する側にいようと思います。
「世界2.0」の書評
いつも通り書評をまとめていきます。以下の通り。
世界2.0は実際にメタバース領域で最前線を走る佐藤航陽氏から、昨今のメタバースのトレンドとそこに生じている誤解を解説した本となります。
その中で、本書は本質的な定義を解説してくれていると感じます。
とはいえ、これも佐藤航陽氏の捉え方にすぎないというのも事実。
だからこそ、本書に加え、メタバース等に関する書籍や文献を読み漁って自分なりに知識を身につけていく必要がありますね。
なお、ぼくが思う「世界2.0」の本当の醍醐味は時代の波乗りの仕方にあると考えています。
トレンドの多さとその速さについていくためにも「世界2.0」で紹介されているようなテクノロジーの流行り方やそこへの波乗りの仕方は把握しておくべきですね。
最近のトレンド例:ChatGPT
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「世界2.0」を読むべき人
最後に、「世界2.0」についてまとめていきます。
「世界2.0」を読むべき人
- 時代の波乗り方法を知りたい人
- Web3.0のトレンドを把握したいひと
- 「お金2.0」を読んだことがある人
Web3.0トレンドはまだ始まったばかり。今のうちに勉強して、時代の先取りをしていきましょう。
ぼくはここまでトレンドに乗っかるということをしなかったのですが、Web3.0は面白いと思っているので、がっつりと波乗りをしていきます。
「世界2.0」のような書籍を手に取れば、今までとは違う景色が見えるはずです。
それでは、また。
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