広告 大学院生

大学と大学院の違いとは?入試・学生生活・就職活動ごとに解説

2022年11月22日

大学と大学院の違いってなんだろう。大学院に通うことで就職や給料にどれだけ違いが出るのかも知りたいな。
悩んでいる人
うぃる
今回はこうした悩みに答えます。

本記事の内容

本記事の執筆者


本記事の執筆者(大学院生)

うぃる(@willblog13

この記事を書いているぼくは、現在東京のとある大企業で働きつつ、ブログを書いている人。

そんなぼくですが、2022年3月まで大学院生やっていました。

実際に大学院に通ってみて思ったのは、「大学と大学院は微妙に違うな」ということ。

ということで本記事では、実体験に基づき、そんな大学と大学院の違いについて解説していきます。

あわせて読みたい

【厳選】自己分析ツールのおすすめ7選【登録なし/無料あり】
【厳選】自己分析ツールのおすすめ7選【登録なし/無料あり】

続きを見る

大学と大学院の定義上の違い

大学と大学院の定義上の違い

まずは大学と大学院の定義上の違いについて確認していきましょう。ざっくりいうと下記のような違いがありますね。

  • 大学=幅広く教養と専門知識・能力を身につける
  • 大学院=大学よりも深く専門的な知識・能力を身につける

それぞれ詳しく見ていきます。

大学とは

大学とは、教育基本法の第七条にて以下のように定められています。

第七条 大学は、学術の中心として、高い教養と専門的能力を培うとともに、深く真理を探究して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。
2 大学については、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない。

引用:教育基本法:文部科学省

はい。真面目すぎますね。噛み砕いて説明すると、

  • 教養+専門的能力を身につける
  • 自主性・自律性を重要視する

って感じです。

つまり、個人の自由を尊重しつつ、幅広い知識とそれなりの専門知識・能力を身につける場所が「大学」となります。
また、大学は通常4年制で、卒業すると「学士」という学位が与えられます。

大学院とは

続いて、大学院とは、学校教育法第65条にて以下のように定められています。

大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする。(学校教育法第65条第1項)
大学院のうち、学術の理論及び応用を教授研究し、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とするものは、専門職大学院とする。(学校教育法第65条第2項)

参考:大学院の目的・役割:文部科学省

こちらも真面目すぎるので噛み砕いて説明すると、

  • 研究活動を通して、理論や応用を奥深く掘り下げる
  • その過程で高度な専門性を養っていく

ってことです。

つまり、大学よりも深く専門的に学んでいく機関が大学院です。
また、大学院(修士課程前期)は通常2年制で、修了すると「修士」の学位が与えられます。

なお、大学院には「修士課程」と「博士課程」があります。次の項では、その違いを解説していきます。

大学院は何するところなのか?進学するメリット・デメリットも解説
大学院は何するところなのか?進学するメリット・デメリットも解説

続きを見る

修士課程と博士課程の違い

修士課程と博士課程の違い

続いては、大学院の中にある「修士課程」と「博士課程」の違いについて解説します。違いは以下のとおり。

  • 修士課程=学士より専門的な研究能力や知識を持つ"労働者"を育てる
  • 博士課程=修士より専門的な研究能力や知識を持つ”研究者”を育てる

それぞれ詳細を見ていきましょう。

大学院の修士課程とは

まず、大学院の修士課程について、文部科学省の大学院設置基準第3条では以下のように定義づけられています。

修士課程は、広い視野に立つて精深な学識を授け、専攻分野における研究能力又はこれに加えて高度の専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を培うことを目的とする。

引用:大学院設置基準 | e-Gov法令検索

修士課程は専門的な研究能力と知識が求められる”職業”を担うための課程であるということですね。

つまり、修士課程は研究者を育てるというよりは、高度な専門性の高い労働者を育てるイメージになります。

なお、修士課程は通常2年制です。また、入学には、大学を卒業する、またはそれと同等の学力が必要となります。

大学院の博士課程とは

続いて、大学院の博士課程について、文部科学省の大学院設置基準第4条では以下のように定義づけられています。

博士課程は、専攻分野について、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うことを目的とする。

引用:大学院設置基準 | e-Gov法令検索

博士課程では、より専門性の高い研究能力と豊かな学識を持つ”研究者”を育てる課程であるということですね。

修士課程では”専門性の高い労働者”を育てるイメージでしたが、博士課程では”研究者”を育てるところに、両者の違いがあると思います。

なお、博士課程は厳密には5年制です。この5年制には修士課程(=博士前期課程)の2年も含まれているため、実際は博士後期課程の3年制と認識されることがほとんどです。

大学院卒は就職において有利?【学部卒との違いも解説】
大学院卒は就職において有利?【学部卒との違いも解説】

続きを見る

大学と大学院の主な違い

大学と大学院の主な違い

続いては実用的な点から大学と大学院の違いを見ていきましょう。両者の主な違いはざっくりいうと下記のような感じ。

  • 大学=浅く広く価値観を広げていく期間
  • 大学院=深く狭く専門分野を深掘りしていく期間

大学と大学院って同じ類でくくられがちですが、やっていることは全然違うんですよね。
実際、いくつかのフェーズでみてもその違いがわかります。

今回は、「入試」「学生生活」「就職活動」「卒業後の給料」の4点で比較していきましょう。

大学と大学院の入試における違い

はじめに、大学・大学院にそれぞれ入るところから。
入試の形式は以下のような違いがあります。

項目大学大学院
入試形式・大学入学共通テスト+個別試験
・AO入試
・推薦入試
・一般入試
・推薦入試
・AO入試
科目・国語
・地理歴史
・公民
・数学
・理科
・外国語
・AOや推薦の場合、面接あり
・英語
・専門科目(または小論文)
・面接
入試難易度

意外なことに大学受験よりも大学院受験の方が楽な場合がほとんどです。

実際、大学院だけ良い大学に進学して最終学歴をよく見せる「学歴ロンダリング」っていうネットスラングもあるくらいです。

大学と大学院の学生生活における違い

続いては大学と大学院の学生生活での違いを紹介します。
主に下記のような違いがありますね。

項目大学大学院
授業日本語授業が主
難易度低
英語授業が主
難易度高
サークル活動・部活動できる基本しない
アルバイトできる大学の頃よりはしにくくなる
その他特徴勉強・研究以外がメイン勉強・研究がメイン

授業での違い

大学での授業は、主に日本語で行われ、成績の評価はレポート・課題・テストって感じですね。ぶっちゃけ友達と協力しながらなら、課題やテストは余裕で乗り切れます。

一方で、大学院での授業は、主に英語で行われます。成績の評価は大学と変わらずですが、英語で文章を書いてりも増えてくるので、それなりに大変。

友達がいたとしても、授業が一緒にならないことが増えるので、自力で乗り切ることが多くなります。

大学院で求められる英語レベルはどれくらい?【勉強法も紹介】
大学院で求められる英語レベルはどれくらい?【勉強法も紹介】

続きを見る

サークル活動・部活動での違い

大学といえば、サークル活動(部活動)。ぼくも【就活生も必見!】文化祭実行委員で学んだこと5選【経験者が語る】で解説したとおり、文化祭実行委員会にのめり込んでいました。

ですが、大体は大学3年生で引退してサークルや部活動にはOBとして関わることになります。なので、大学院生が部活動やサークル活動に関わるということは少なくなりますね。

アルバイトでの違い

大学生のライフワークといえば、アルバイトですよね。大学生は自分の裁量次第で自由にシフトを入れることができると思います。

しかし、大学院生になると少し難しくなります。研究室のコアタイムがあったり、単純に研究が忙しかったりしてなかなかアルバイトに精を出すことはなくなります。

大学院とアルバイトは両立できるけどオススメしません【理由は3つ】
大学院とアルバイトは両立できるけどオススメしません【理由は3つ】

続きを見る

その他大学と大学院の違い

全体的な話をすると、大学は勉強・研究以外が優先され、大学院では勉強・研究が優先されます。

なので、大学院に進学して遊び・恋愛・アルバイトなどをもっと楽しもうなどと考えている人がいたら、一旦考え直したほうがいいかも。

大学と大学院の就職活動における違い

続いてはかなり重要な話。大学と大学院の就職活動での違いです。

結論としては、若干大学院の方が就活で有利になります。
理由は以下のとおり。

  • 学部生よりも専門性が高く、戦力になりやすい
  • 推薦や教授のコネを使いやすい
  • 学部生よりも将来を考える時間が増える

以上については、『大学院卒は就職において有利?【学部卒との違いも解説】』でより詳しく解説しています。

大学院卒は就職において有利?【学部卒との違いも解説】
大学院卒は就職において有利?【学部卒との違いも解説】

続きを見る

大学と大学院の卒業後の給料における違い

最後に、みんな大好きお金の話です。

結論から言うと、大学院の方が給料および生涯年収は増えます。
根拠は以下のとおり。

初任給での比較

大学卒と大学院卒給料を比べるため、有名企業をいくつかピックアップしてみました。

事例大学卒大学院卒
三菱商事255,000円290,000円
NTT216,850円239,660円
清水建設245,000円265,000円
TOYOTA208,000円230,000円
味の素234,000円246,000円

実際、上記のように大学院卒の方が初任給が高いですね。
さらに初任給だけ高いのかというとそうではなく、その根拠が下記のとおり。

生涯年収での比較

続いて生涯年収で比較してみます。

大学院卒の方が賃金がいいデータ
引用:令和2年賃金構造基本統計調査の概況, 厚生労働省

上記は厚生労働省が出している賃金構造基本統計調査の結果です。
調査結果からいうと、男女ともに大学卒よりも大学院卒の方が生涯年収が増えています。

実際ぼくも大学院を卒業して大企業に就職して、お金の面では苦労していないですね。ありがたいことに。

なので、給料を高めたい!と心から思っている人は大学院への進学はありです。

大学院卒は就職において有利?【学部卒との違いも解説】
大学院卒は就職において有利?【学部卒との違いも解説】

続きを見る

専門性を高めたいなら大学から大学院への進学を!

専門性を高めたいなら大学から大学院への進学を!
  • 大学と大学院の違いは、専門性の高さ
  • 大学生の方が生活は自由
  • 大学院生の方が就職活動・給料は有利

いかがでしたか。

今大学院に進学しようかどうか迷っている人は、大学と大学院の違いをきちんと理解することが大事だと思います。

違いを理解したうえで、「これは自分の将来に必要だ!」「いや、これなら大卒で早く社会人になったほうがいいな」などと判断してみてください。

大学院卒は就職において有利?【学部卒との違いも解説】
大学院卒は就職において有利?【学部卒との違いも解説】

続きを見る

それでは、また。

大学院生が就活を制する方法

【無料】大学院生向け就活サイトのおすすめ12選【注意点あり】
【無料】大学院生向け就活サイトのおすすめ12選【注意点あり】

続きを見る

-大学院生