今回取り上げる本は、落合陽一氏が書いた「超AI時代の生存戦略」です。
5年前の本ですが、昨今のAI技術の発展動向を見て、読んで見る価値はあるなと思い、購入。
結果、落合陽一氏独特かつ鋭い切り口でAIが語られており、「なるほど、こういう視点もあるのか」と勉強になりました。
ということで、本書の簡単な要約と書評をしていきます。
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「超ai時代の生存戦略」の基本情報
「超ai時代の生存戦略」の基本情報について見ていきます。
書名:超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト
著者:落合陽一
出版日:2017/03/18
出版社:大和書房
続いて著者の「落合陽一」さんのプロフィールが以下の通り。
メディアアーティスト。1987年生まれ、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学)。2010年ごろよりメディアアーティストとして活動。
現在、筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、准教授・JSTCRESTxDiversityプロジェクト研究代表、京都市立芸術大学客員教授,大阪芸術大学客員教授,デジタルハリウッド大学特任教授,金沢美術工芸大学客員教授.2020年度,2021年度文化庁文化交流使,2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)テーマ事業プロデューサーなどを務める。
有名な方なので、特に説明することはありません笑
なお、ぼくは論文の読み方でおすすめなのは「落合陽一式」【現役大学院生が紹介】に記すように、落合陽一氏の論文の読み方に感銘を受けていました。 続きを見る
論文の読み方でおすすめなのは「落合陽一式」【元大学院生が紹介】
「超ai時代の生存戦略」の要約まとめ
次に「超ai時代の生存戦略」の要約・まとめとして読書メモ+意見を記します。
- 超AI時代の「生き方」
- 超AI時代の「働き方」
- 超AI時代の「生活習慣」
上記についてまとめていきますね。
超AI時代の「生き方」
・先に述べたように、「AIはAIとしての仕事を、人間は人間らしいクリエイティブな仕事をすればいい」という論調がぼくが嫌いだ。
この論調は思考停止に過ぎず、クリエイティブという言葉であやふやに誤魔化すことで、行動の指針をぼやかす。つまり、この論調で語る人は、要するに「何をしたらいいかわからない」、ということであって、これは多くの企業担当者も同様の発言をしやすい。・それらは、特定の一個のパイを奪い合うのではなく、パイをどうやって広げようか、という超AI時代の人間全体の生存戦略だ。
・今、この世界で他人と違うのは当たり前で、他人と違うことをしているから価値がある。もし、他人と競争しているならば、それはレッドオーシャン(競争の激しい市場)にいるということだ。つまり、競争心を持つというのは、レッドオーシャンの考え方で、そうではなくて一人一人がブルーオーシャン(未開拓な市場)な考え方をしなくてはいけない。
・しかも、機械が代わりに労働をするようになると、本来は可処分時間が多く生まれるはずだ。その時間を用いて、自分のオリジナリティや個性、あとフェチズムを強化していくことが、これから先、仕事として活きていくことになるだろう。ワークアズライフの世界にとって趣味性は非常に重要なものだ。
・スキーに限らず、あらゆるスポーツや運動は、そのようにあるフレームの中で、問題、解決、報酬という形でゲーム的に遊びとして定義ができる。その選びによって金銭的利益を生むか生まないかは報酬では関係がないし、それが誰かの役立つか立たないかというのも関係がない。
しかし、21世紀の遊びは、そういう問題、解決、報酬で他の役に立つものがたくさん存在すると思う。
そして、これからの時代はそういう遊び方ができる人とできない人に分かれる。なぜならば、問題を立てる、解決する、ということが苦手な人がいて、自分が動く報酬が何にあたるのかがわかっていない人がいるからだ。報酬がわかっていないと継続性がなく、続けることができず、それ限りになってしまうのでワークアズライフとしてキャリアデザインが難しい。
そういったことから、今後の「仕事」では、自分でゲーム的なフレームワークを考えて「遊び」にしていくということが重要になってくる。仕事を遊びにして1日中労働をしろというわけではなく、小さい遊びとして仕事を生活の中にたくさん詰め込んでいくと、豊かな人生になるのではないかということだ。
「レッドオーシャンを避ける」「趣味を追求していく」みたいなことは他のビジネス書にも書かれていることなので、特には触れません。
その中でぼくが気になったのはいちばん最初の引用部分。AIはAIとしての仕事、人間はクリエイティブな仕事をすると言う論調は思考停止であるという点です。
冷静に考えると、この論調はかなり抽象的で「AIの仕事とは?」とか「AIはクリエイティブなことできないの?」とか「そもそもクリエイティブなことって何?」とか、ツッコミどころが多すぎです。
だから、AIに関する論調に対して疑いの目を持ちつつ、情報収集していくことはかなり大事ですね。
超AI時代の「働き方」
・今、私たちにはインターネットがあり、他人がやったことはすぐに学習でき、コピーができるようになっている。そうなってくると、私たちは新しい技術を常に取り込み続けたり、追いかけ続けたりしていかないとまったく仕事にならず、特殊性を保てない。大学で学んで資格を取れば一生使える、ということがなくなってくるわけだ。
逆に言うと、そういう人たちは今後、資格の権威を守ろうとしていくだろう。けれど、テクノロジーによる価格破壊や、脱人間化は確実に起こっていくし、少なくとも年功序列のような生得的優越はなくなるかもしれない。
そういうコモディティ化はコンピュータによって加速するし、その速度が昔のコモディティ化の速度とまったく異なってきている。・これから先、締め切りに追われなくしていく方法は、ここまで述べてきたように「ツールを使うこと」だ。そして、「中間の工程をあまり気にしないこと」。最後に、「機械にできることを極力やらないこと」。この3つが非常に大切になってくる。
・発信している時間があれば、自分のことだけやってればいいのでは?」というようなことも今の世の中では言われがちだけれど、自分自身で発信しないと自分以上に自分がやっていることに詳しい人はいない。
つまり、あなたがやっていることを誰か別の人が語れるかといったら、それは十分に語れないし、前述したAIが記事を書く話に近いけれど、自分がやったことをコンスタントにRSSのように発信していくことはできるけれど、それがどういう意味を持って、どういう価値を持っているかというのは、結局は自分自身でしか言えないわけだ。・そういった、「ウィキペディアを調べれば十分な知識」というのは、持っていてもあまり意味はない。ただし、ここで重要なのは、完全に覚えている必要はないけれど、すぐにググれるくらいの知識量は持っておかなければいけないということだ。つまり、1回は頭に入れたほうがいいというレベルだ。
・暗記するためにノートにひたすら書いたり、何回も唱え続けたりすることはないけれど、ざっくりとフックがかかっている状態、おぼろげにリンクが付いているような状態が、これからの時代に理想的な知識の持ち方だと思う。
これはどういう仕組みで、思いつきから実装までたどり着くことができるのか、ということさえ押さえておけば、個別の細かいところはその都度調べたりしながら作ることができるということだ。
この感覚は、これから必要な創造性にとって、もっとも重要な状態になっていると思う。つまり、「2つのものが抽象的なイメージで合わさったら、どういう答えになるんだろう?」というように、おぼろげなものが重なることによって、人間にしかできない想像力が出てくるのだ。・あらゆるものを、「ググればわかる」というレベルの状態で頭の中に保持しておく知識の付け方がすごく重要だ。そのためには、「一度は自分で解いてみたことがある」という状態がベストで、「ただ、頻繁に使用してはいないから、あまり詳しいことはわからないんだけど・・・」という状態が実は理想なのだ。
専門的なことは一度すべて大学で習ったり、専門書を読んだりしたことはあるけれど、完全には覚えていない、というフックがかかった状態を目指そう。
本書では主に「働き方」にフォーカスした箇所でしたが、ぼくが特にためになったのは、これからの学習方法です。
落合氏が語るこれからの学習方法をまとめると以下な通り。
- 常に新しい技術を追い続ける
- 資格に頼れなくなる時代が来る
- 暗記はするな
- ググれるくらいの知識は勉強しておく
- 仕組みと実装までのプロセスを学習する
今後はよりノウハウマスター的な人が淘汰される時代になってくるのかなと思います。
きちんと仕組みやプロセスなどの根本の理解に時間を使っていくべきですね。
超AI時代の「生活習慣」
・お金を使うときに「投資」という概念があったほうがいいだろう。それは、株式投資やFXなどではなく、広い意味での投資だ。人にごはんをおごることも広い意味での投資だ。だから、自己投資にどんどんお金を使っていいだろう。
貯金という形でプールしてしまうと、増えもしないし減りもしない。自分の能力やチームにお金を使えば、それは増えているようなものだ。
その意識がなく、ただ無自覚にお金を貯めると、それは時間もお金も滞ってしまって、何も生み出さない。
だから、そのスタンスは変えたほうがいい。
今の時代、それはより顕著だ。昔であれば投資はせずに、せっせと貯金をしておくか、家を買ってローンを返していけばよかったのだが、今は人生で何回、仕事を変えるかわからないし、どこに住んでいるかもわからない。
一生ある仕事をするわけではない時代なので、自分に投資して、仕事を変えていくというのもキーワードになるだろう。
特に気になった部分のみ引用しました。
まとめると、思考停止でお金を使うのではなく、「投資」という視点を持つことが大事です。
「この飲み会でチームの輪を深めれば、仕事でのリターンが見込める」
などと投資視点を持つことは可能。
他にも、本を買うときに
「この本の内容を理解すれば、今の能力をより活かせるな」
とか考えることもできます。
上記のようにいちいち考えるのはぶっちゃけだるいですよね。
でも、徐々に貯金思考から投資思考に変えていかないと、時代の変化にはついていけなくなるかもしれません。
ぼくもその危機感を持って、引き続き自己投資を心がけていきます。
「超ai時代の生存戦略」の3文書評
いつも通り3文で書評をまとめていきます。以下の通り。
- これからのAI時代に対しての危機感が高まる
- その危機感を解決する術も見つかる
- 現在働いている仕事について見つめ直すことができる
まずは、AI時代を生きていく上での危機感とそれにどう対応していくのかを学ぶことができます。
しかも落合陽一氏は研究者としてもビジネス界隈でも最先端を走っていますよね。そういった人がAIに対してどう考えているのかを学ぶことは非常に価値があります。
また、本書を通して今就いている仕事に対しても考え方が変わるはず。例えば、
- 「今やっている仕事はAIでもできてしまう仕事なのではない」
- 「今やっている仕事をAIを使って効率よくしていくにはどうすればいいのか」
- 「このまま今の仕事に就いていて問題ないのか」
といったことを日々自問自答するだけでも自分なりの「超AI時代の生存戦略」を見つけているんではないかと思います。
「超ai時代の生存戦略」を読むべき人
最後に、「超ai時代の生存戦略」についてまとめていきます。
「超ai時代の生存戦略」を読むべき人
- AIについて基礎的な考え方を知りたい人
- 今就いている仕事に対して不安感がある人
- 落合陽一の考え方を吸収したい人
ぼくもあまりAIについて詳しいわけではないですが、本書を読んでおいて良かったなと思います。
というか、今働いている人は全員AIについて基礎知識を入れておく必要はありますよね。
本書でAI時代の「生き方」「働き方」「生活」について学んでいきましょう。
それでは、また。
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